伝統工芸飛騨染めとは

100年使える染物を目指して

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約150年前

京都から飛騨の地に伝わったといわれる。宮本武蔵の伝記に登場する吉岡流四代目当主、吉岡憲法(吉岡清十郎)が開発した「裃(かみしも)」の染め物技術、「憲法染(けんぽうぞめ)」を源流に持つ。

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染色方法

柿渋を塗った和紙に真ちゅうの「筒先」を取り付け、もち米粉・米ぬかから作られる「もちのり」を詰めた「筒」を使って、布生地に下絵の「線」を描いてマスキング(筒描き)し、大豆の汁で溶いた岩絵の具を塗り分けて染め上げる。

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寒ざらし

染め分けた生地を水にさらして屋外につり、「伸針(しんしん)」という針の付いた竹ひごで布を張った後、冬の冷気に当てるという作業。生地の色持ちが良くなり、ハリとツヤを出す作業。

飛騨染めとは

飛騨染めとは、石・土・鉄:銅・亜鉛・石炭・松煙等から作られた染料を顔料と言い、それらの顔料を豆汁(呉汁)で溶き、染め付けた物の事を言う。
昔、戦国時代にこの技法が生まれ伝わったと聞くが、一説によると宮本武蔵とと闘いをした剣豪、吉岡清十郎の父、仁右衛門が松煙を染めに使い始め、別名「憲法染め」「憲房染」と呼ばれた。
この技法が飛騨に伝わり、当房主先代の柚原清吉が「飛騨染」と名づけた。

現在は、無形民俗文化財に指定されている飛騨の祭りをはじめとする闘鶏楽衣装・獅子舞の油単(カヤ)・伴天・カルサン衣装・織旗など数多くの伝統芸能衣装を手掛け他にも暖簾・幕・バッグや土産品・・・に至るまで染め付けを行っています。
全国でもこの技法で染めている紺屋は少ない。

制作工程例